怒っている人は100%成功しない
あなたは、怒っている人を見た時にどんな気持ちになりますか?
多くの人は
「嫌だな」
「関わらないようにしよう」
「みっともない」
という気持ちになると思います。
少なくとも
「心地いい」
「この人と一緒にいたい」
というプラスのイメージを持つ人はいないでしょう。
しかし、この世の中、怒っている人は多く存在します。
あなたの組織ではどうでしょうか。
怒っている人が組織に一人でもいるとその組織の組織力は低下します。
なぜなら、その人を中心に助け合い(協力)が生れなくなるからです。
下の図で確認してください。
又、怒っている人に共通していることは「人望がない」ということです。
なぜなら、怒っている人に人は寄ってこないからです。
あなたは怒っている人を助けたい!という気持ちになりますか?
ならないはずです。
ひとは一人で生きていけません。
仕事もまた一人ではできません。
怒るという行為は、仕事においても人生においても幸せや成功を呼び込むことができない行為です。
「怒っているうちは100%成功しない」という事を理解し「怒らない人間力」を身につけましょう。
本項では以下3点について解説していきます。
1・怒る人の3大デメリット
2・怒りを瞬時に治める対処法
3・怒らない自分をつくる方法
怒る人の3大デメリット
1・人が離れていく(人の反感を買う)
江戸時代を築いた徳川家康の言葉に「怒りは敵と思え」という名言があります。
「腹を立てて感情的になることは、人の反感を買い冷静さを失う。
怒りはわが身を滅ぼす敵と思い、慎まねばならない」
という意味です。
怒ると人の反感を買い、人は離れていきます。
怒りは人間関係を最も破壊する感情です。
2・ミスが増える
怒っている人の脳は血が登っている状態です。
血が登っている脳はオーバーヒートの状態になり冷静な判断が出来ません。
血が登った状態から正常な状態に戻るまでの時間は3時間と言われてます。
怒っている人は多くの時間をパフォーマンスの低い状態で仕事をするとなりミスを起こす可能性が高くなります。
ミスが増えてそれを指摘され、また怒るという悪循環を生み出し成功を妨げる原因になります。
3・成長できない
怒りは他責思考から生れます。
他責思考とは「人のせい」にするということ。
多くの人は良い事が起こった時は自分を評価し、悪いことが怒った時は誰かのせいにします。
例えば、テストの点数が高かった場合は「わたしが勉強頑張ったから」となり、逆に低かった場合は「部活の時間が長かったから勉強する時間が無かった」みたいな感じです。
誰かのせいにして、状況が好転した経験はありますか?
私はありません。
他責思考でいるうちは、失敗から学ぶという思考にならないため成長することはありません。
逆に、自責思考の人は失敗から学ぶことを繰り返すためどんどん成長していきます。
瞬時に怒りを治める対処法
1.10秒時間を稼ぐ
怒りの感情が出てくるのは6秒~10秒の間と言われています。
ひとまず、10秒時間を稼げば激しい怒りを相手にぶつけるという状況は避けられます。
2.その場から離れる
極めてシンプルな方法ですが、効果は絶大です。
怒りの原因から距離をとることで、気持ちは落ち着いてきます。
この方法は怒っている人をなだめる方法としても有効です。
例えば、激しい口調でクレームを言ってくるお客様への対応などです。
3.自分で自分をなだめる
自分がイライラした時、心の声で自分をなだめることも有効です。
例えば、
「まあ、こんなこともあるか」
「相手にも何らかの事情があるかな」
「怒っても損しかないな」
「完璧な人間はいないし」
「起きたことは仕方ない。今出来ること考えてみよう」
などです。
4.尊敬する人を思い出す
尊敬する人を思い出して、その人になりきって感情を抑える方法です。
あなたが尊敬する人は怒る人ですか?
怒る人を尊敬する人はいないのではないでしょうか。
例えば、
「尊敬する人だったら笑い飛ばすかな。」
「むしろ、この状況をネタにするよな。」
「自分はこんなことで怒ってしまって恥ずかしい。」
「まだまだ、あの人には及ばないな。」
などです。
このように考えてみれば感情は抑えられます。
怒らない自分をつくる方法
怒りの原因
怒りとは欲を邪魔されたときの起こる感情です。
欲とは食欲、財欲、色欲、名誉欲、睡眠欲などです。
あなたがイライラしたり、怒りの感情が出た時を思い出してみてください。
何かの欲を邪魔された時ではないでしょうか。
例えば、
「ご飯を食べようと思ったら、誰かから仕事を頼まれて、ご飯が食べられなかった」
「自分は寝たいのに、騒音がひどくて、眠られなかった」
「12時に人と会う約束があるのに、電車が止まって、会えなかった」
などです。
あなた、あるいは相手がイライラしたり、腹を立てた時、どんな欲が満たされなかったか、まずはその原因を冷静に分析してみてください。
怒らない自分をつくる具体的思考
怒りを行動に現す人のレベルは「赤ちゃん」
自分の欲が満たされないから怒りの感情を行動に出してしまう。
この行動、誰かと一緒だと思いませんか?
「赤ちゃん」です。
怒りの感情をそのまま行動に出してしまう人はの行動レベルは赤ちゃんです。
人間は欲の塊ですので、欲を無くすというのは神でも無い限り不可能です。
誰しもイライラや怒りの感情は生まれます。
そんな時は、この感情を行動に出してしまったら、「自分は赤ちゃんレベルだな」「恥ずかしいなと」自分をコントロールしてください。
又、相手が怒っている場合も「この人はまだまだ赤ちゃんレベル」だなと心の中で思うようにしてください。
イライラの感情が沸き言動や行動に出そうな時は「自分、大人だよね」と冷静に考え行動することを意識しましょう。
マイナスの事実をプラスに解釈する【事実は一つ解釈は無限】
赤ちゃんは行動で示す事しかできませんが、わたしたち大人は考えることが出来ます。
マイナスの事が起きてしまった時はプラスの解釈に変えてしまうという思考を身につけましょう。
自分にとって明らかにマイナスに見える事実でも解釈をプラスにして人生に活かすことは十分に可能です。
例えば、
試験に落ちた時「もう自分はダメだ」と思う人と「成長できたからいい」と思う人。
親が離婚して「親を恨む人」と「おかげで自分は独立できた」と思う人。
どちらが、幸せな人生や成功を呼び込むことができるでしょうか。
明らかに後者です。
人生はネタづくり
更に、マイナスの事実を人生のネタにしてみてください。
人は、苦しい体験や失敗した体験を聞きたい、知りたいという傾向にあります。
例えば、2冊の本があったとします。
①生れた時から裕福な家庭で育ち、世界で誰もが知る有名な企業で働き、老後はゆったりと別荘で暮らした話。
②貧しい家庭に生れ、16歳で職人に弟子入りし、辛い修行を経験した結果、世界が認めるモノづくり職人となった話。
読みたくなるのはどちらでしょうか。
後者ではないでしょうか。
わたしは「人生はネタづくり」だと思っています。
楽しいことはもちろん、失敗したこと、苦労したこと、常に全てを笑いに変えてしまう自分でありたいと思っています
マイナスの出来事をプラスの解釈に変換できる思考力を身につけましょう。
目に見えない欲「名誉欲」が満たされない厄介な怒り
一番、厄介なのは「名誉欲」が満たされず怒りの感情が生れた場合です。
名誉欲
名誉欲とは「褒められたい」「認められたい」「馬鹿にされたくない」という感情です。
食欲、財欲、睡眠欲は満たす量を一定程度数量で表すことが出来、その数量を満たすことで怒りの感情は収まります。
食欲であれば、ごはん丼〇杯。財欲であれば〇〇円。睡眠であれば〇時間など。
一方、名誉欲は目に見えず、数値化することができません。
名誉に対する感覚が人それぞれ異なるからです。
ある人は、挨拶をして挨拶が返ってこないだけでも怒りの感情が沸いてくる。
ある人は、SNSの投稿に対する批判的なコメントで怒りの感情が沸いてくくる。
名誉欲が満たされないことから生れた怒りは多くの場合、怒りの感情が長引き、収まるまでの時間も長引く傾向にあります。
又、人間関係のトラブルも名誉欲を満たされないことで起こることが多いのです。
では、名誉欲が満たされない事から生れる怒りをどのようにコントロールしていけば良いのでしょうか。
具体的な例を用いて解説していきます。
例)「電車で席を譲ったのに断られた」
ある男性Aさんが混みあっている電車の座席に座ってました。
次の駅で杖をついた老人と思われる男性が乗ってきたので、Aさんは席を立ち「どうぞ」と席を譲りました。
譲ろうとした相手は「老人扱いするな!」とAさんに強い口調で言ってきました。
周りの乗客からも笑われAさんは憤りを感じてしまいました。
さて、Aさんの気持ちを覗いてみましょう。
おそらく、Aさんは、老人が席に座り「ありがとう」と言ってくれるだろうと思っていたはずです。
にも関わらず、逆に怒られ、周りからも笑われ、怒りを感じている状態です。
では、なぜAさんは怒りを感じているのでしょうか。
それは、見返りを求めているからです。
見返りを求めない
見返りとは「相手に与えた分はそれ相応分返ってきてほしい」という感覚です。
今回の例でいうと見返りは、席を譲ったのだから「ありがとう」という感謝の言葉が返ってきてほしいという感覚。
なのに「ありがとう」という感謝の言葉が返ってこなかったから「損」をしたという感情から怒りが生れてる。
でも、Aさんは本当に損をしたのでしょうか。
冷静に考えてみましょう。
・席を譲ってあげたいと思い、自らの意思で席を立ったAさん
・席に座りたくないと思っている老人
改めて、この時点でAさんは損をしてるでしょうか。
損はしていないのです。
「損をした気分」になっているのです。
では、この場合、Aさんはどう考えればよかったのか。
答えは
「そんなこともあるよね」
です。
見返りを求めないことで怒りの感情は生まれてこないのです。
見返りを求めると反感を買う
仮に、この後Aさんが
「席譲ってるんだから、座れ」
と言ってしまったらこの場の状況はどうなるでしょうか。
きっと、老人と思われる男性は
「いや、座らん。勝手に席譲ってきて何を言ってるんだ」
と争いが生じてしまうでしょう。
無理やり見返りを獲りにいってしまうと人の反感を買ってしまいます。
席を譲ったAさんの行動は「美しく良い行い」なのにです。
いいことはやりっぱなし
この例から言えることは「与えることは損ではない」という事。
つまり、
「いいことはやりっぱなしでいい」
という考えを持つことです。
まとめ【怒らない自分をつくる具体的思考】
怒らない自分をつくる思考をまとめます。
①怒りの原因を分析する(食欲、財欲、色欲、名誉欲、睡眠欲)
自分が感じている怒りは何の欲が満たされていないのかを冷静に分析する
②怒りを行動に現す人のレベルは「赤ちゃん」
食欲、睡眠欲、財欲など数値化できる欲が満たされない時に生れる怒りは赤ちゃんレベルだと考え自分の気持ちをコントロールする
③マイナスの事実をプラスに解釈し人生のネタにする
マイナスの事実であったとしてもプラスの解釈に変換し人生のネタにする(事実は一つ解釈は無限)
④見返りを求めない
名誉欲など目に見えず、数値化できない欲が満たされない時に生れる怒りは「見返りを求めない」ことが大切だという思考を持つ
⑤いいことはやりっぱなし
無理やり見返りを獲りにいくと人の反感を買う
「いいことはやりっぱなし」で良し
怒らない自分をつくることで、あなたの組織の心理的安全性は高まります。
リーダーとしての人間力を高めていきましょう。