なぜ旅行業界の法人営業は、価格競争から抜けられないのか?
旅行業界特化・法人営業/営業育成コンサルタントの矢島です。
旅行業界の法人営業で、
こんな場面はありませんか?
- 最後は価格の話になる
- 「他社はいくらですか?」と聞かれる
- 競合比較表で判断される
そして結局、
「今回は価格で他社に決まりました」
営業担当者は悔しい。
マネジャーは「もっと粘れ」と言う。
でも本当に、
問題は価格なのでしょうか。

価格競争に陥るのは"最後"ではない
価格競争は、
見積もりを出した瞬間に始まるわけではありません。
最初のヒアリングの段階で、すでに決まっています。
- 何を聞いたか
- どこまで深掘ったか
- 相手の優先順位を把握できたか
ここが浅いと、
最後に残る評価軸は「価格」だけになります。
旅行営業が“物売り”になる瞬間
旅行業界の法人営業は、
- 行程を組み
- 見積もりを出し
- スケジュールを提示する
この流れが習慣化しています。
でもこの瞬間、
営業は「提案者」ではなく
「手配担当者」になっています。
手配の評価基準は、
当然ながら価格と条件です。
本当に聞くべきだったこと
例えば、企業の周年旅行。
多くの営業はこう聞きます。
- 人数は?
- 日程は?
- ご予算は?
でも本来、聞くべきなのは、
- なぜ周年旅行を実施するのか
- 経営として何を伝えたいのか
- 社員にどんな変化を期待しているのか
- 失敗したら何が起きるのか
ここまで聞けて初めて、
価格以外の軸が生まれます。
価格競争に陥る3つの理由
私が現場で見てきた限り、
価格競争に陥る原因は大きく3つあります。
理由①需要を特定できていない
どこに本当の価値があるのか整理できていない。
理由②決裁構造を見ていない
誰が最終判断をするのか理解していない。
理由③影響を掘り下げていない
「やらなかった場合のリスク」まで聞けていない。
この3つが抜けた状態で提案すると、
比較対象は必ず「価格」になります。
ソリューション営業の誤解
旅行業界でよく聞く言葉に
「ソリューション営業」があります。
しかし実際には、
- 課題を軽く聞き
- 行程を少し工夫し
- 「御社向けです」と言う
これではソリューションではありません。
本当のソリューション営業とは、
相手の意思決定基準そのものを整理することです。
ここまで踏み込めれば、
価格は判断材料の一部になります。
営業を責めても、価格競争は止まらない
価格競争に陥ると、
組織はこうなりがちです。
- 営業担当者を叱責する
- 値引き交渉を指示する
- 受注率だけを追う
しかしこれは、
症状に対処しているだけです。
原因は、
営業の考え方の設計にあります。
価格ではなく「判断軸」をつくる
価格競争から抜け出すために必要なのは、
- 相手の成功条件を明確にすること
- 判断基準を言語化すること
- 提案前に8割を決めておくこと
これができれば、
価格は“最終確認事項”になります。
最後に
旅行業界の法人営業が
価格競争に陥るのは、
能力が低いからではありません。
構造を整理せずに営業しているからです。
- 需要はどこにあるのか
- 決裁者は誰か
- 何を聞けば、判断基準が動くのか
これを整理できれば、
価格勝負から抜け出すことは可能です。
今回も最後まで読んでいただき感謝です。


