研修は効果があるのか?──現場が変わった、営業研修のリアル

「研修って、やって意味あるんですか?」

人事や経営層の方と話していると、時々こんな質問をいただきます。

たしかに、忙しい現場に時間を割いて実施する研修。
しかも、費用もかかる。
だからこそ、その投資にリターンがあるのかどうか、気になるのも当然です。

でも、現場で数多くの研修に携わってきた中で、私は確信しています。

「あります、効果。」

実際に、それを証明するような出来事がありました。

あるとき、営業職向けに実施した研修の中で、こんな話をしました。

「人との会話の95%は“過去”の話。
未来のことをいきなり聞くと、相手は身構える。
でも、過去の経験を尋ねれば、人は自然と話してくれる。
営業の本質は、まず過去を深く聴き、そこから未来を一緒に描くこと。」

ちょっとした視点の転換かもしれません。
でも、この話をきっかけに、ある営業担当の方がアプローチのスタイルを大きく変えてくれたんです。

結果――その方は、1年で売上1億円を達成。

後日、こんな感想をいただきました。

「“過去を聞く”だけで、こんなに相手の反応が変わるとは思わなかった。
気づきと視点を得られたのは、本当に大きかったです。」

1日だけの研修。
費用は数十万円。
一見すると“経費”に見えるかもしれません。

でも、その学びをきっかけに現場での行動が変わり、
数字が大きく動くことがあるんです。

こういう事例に何度も立ち会ってきました。

私自身、研修の現場に立つときは、いつもこう考えています。

「どれだけ、現場で使える“視点の種”を渡せるか。」

その種がどこかで芽を出し、成長し、やがて成果となって戻ってくる。

だからこそ、研修は“投資”なんです。

当然、すべての研修がすぐに結果につながるとは限りません。
でも、内容次第で“未来を変える研修”にだってなるのです。

特に営業やマネジメントのように「人」が介在する仕事では、
ちょっとした“見方”や“問いかけ方”が、大きな武器になります。

そして、それを届けるのが研修の役割。

私が研修に関わるようになってから、ずっと意識しているのは、

「正論じゃなく、現場で使える研修を」

その想いを持って、これからも“気づき”のきっかけをつくっていきたいと思っています。

「研修って、効果あるの?」

そう尋ねられたとき、私はこう答えます。

「あります。
ただし、“その人の行動を変える視点”を渡せれば、という前提で。」

もしも、組織の中で少しでも「変えたい」「良くしたい」という想いがあるなら、
研修はその起点になります。

私は、そんな“起点づくり”にこれからも関わっていきたいと思っています。

最後まで読んでいただき感謝です。